FC2ブログ

記事一覧

Sunrise氏の表記法案を用いたラダー系トリックの考察

◆はじめに

 ラダーって結局何?というのは多くの人がちらっと考えて、まあどうでもいいか、とすぐに忘れてしまうくらいの疑問だと思います。ラダーとはどういうものなのか、Sunrise氏の表記法案を使って考察してみました。青字の部分は氏の引用、太字は私が強調したい箇所となっています。

 文章が長くて面倒な人は、簡易版をどうぞ。

◆Sunrise氏の表記法案

 Sunrise氏の表記法案とは、2010年8月5日に公開されたもので、2017年3月現在も参考URLから参照することができます。広く普及しているトリックの名称を用いずに表記する点が大きな特徴で、従来の表記に比べて運動の様子をより詳しく記述することができます。一方で表記が長く、新しい概念が多いため難しい等のデメリットがあります。

 私がこの表記法案に触れたのは最近のことで、公開時の反応やどのような議論があったか等も知りませんが、現在ではマイナーな表記案であるように思えます。それでも、詳しく運動を記述することについては優秀であると感じました。

◆目的

 ラダー系トリックに共通する根本的な要素を調べることを目的とし、そのためのツールとしてSunrise氏の表記法案を用います。定義案を改正しようとか、Sunrise氏の案が素晴らしいと訴えるとかいう類の文章ではなく、ラダーを説明できる何かを求めた結果の文章である、ということをご理解ください。

 詳しくは参照URLで述べられていますが、氏は運動形態を
運動形態 = "基準動作"("起点部位") "状態の推移" : "運動の表記""運動の正負""傾斜表現" "自由回転数""環境表現""補足部位" 
というように表記することとしています。

 本文では、この表記法でラダーを記述してみようと思います。その際、「ラダー系トリックにおけるペン自体の運動のしかた」に共通すると思われる要素に絞って考え、運動を行う部位、運動を行わない部位に関する具体的な表現については考えることをしません。ラダーはあらゆる部位で可能で、部位を考えると膨大な場合分けが必要になると考えるからです。

◆ラダーの要素

1.傾斜表現

傾斜表現は2種類あり、
・ペンが部位に対して垂直に交わる : Cross
 ・ペンが部位に対して傾いて交わる : Tilt

と表現されます。

氏による例を引用すると、
・3-FakedSonic
⇔Flip 43-43 : Tilt ⇔ TiltFlip 43-43
 ・円軌道を描かない3-FakedSonic
⇔Flip 43-43 : Cross ⇔ CrossFlip 43-43

と表記され、CrossとFlipの違いが円軌道の有無に関係していることがわかります。

 ラダーは円軌道を描かないものと認識されているため、傾斜表現はCrossとします。

2.自由回転数

 ペンが部位によって固定されていない状態で、ペンの向きが90度回転することを0.25回転の自由回転数を持つと定義する。0.25の整数倍によってのみ自由回転数が表記される。

 上記のように定義されていますが、ラダーの自由回転数は0です。

3 基準動作

・ Flip
2つ以上の部位でペンに偶力を加え、ペンの運動を促すもの。
 ・PShift
ある部位または部位の面を対称軸として、ペンを、手の平側を通しながら対称移動させるもの。
 ・BShift
ある部位または部位の面を対称軸として、ペンを、手の甲側を通しながら対称移動させるもの。


 Crossの状態でFlipまたはP/BShiftを行ったものがラダー系統の技の動きです。
※Shiftについてはこちらを参照。

一般的な呼称と対応させると、
・Flip:フェイクトラダー
・CrossPShift:シメトリカルラダー
・CrossBShift:ラダー
の運動になります。
 Tiltの状態でP/BShiftを行えば、それぞれシメトリカルソニックとソニックになります。

4. 運動の正負

 運動の正負は、移動方向と回転方向により表現されます。

①移動方向
・ある位置から、指に平行でなく親指側に向かう移動 : 正の移動
 ・ある位置から、指に平行でなく小指側に向かう移動 : 負の移動


②回転方向
 原文で詳しく記されていますが、簡単に言えばフェイクトソニックは正の回転、フェイクトソニックリバースは負の回転です。
 ラダーは無回転ですから、この項を記述することはできません。しかし、回転方向に代わる概念を新たに定義することで解決できると考えました。

5.揺れ

 前項で述べた回転方向に代わる概念として、「揺れ」を提案します。揺れが何かを説明する前に、まずは定義を示します。

 Crossの状態でペンが0回転の運動をするものとして、
 ・ペンの上端が親指側へ向かったあとで小指側へ向かう:正の揺れ
 ・ペンの上端が小指側へ向かったあとで親指側へ向かう:負の揺れ

と定義しました。

 私は「揺れ」と回転方向はほぼ同じものであると考えています。
 軸に対して垂直に運動を行えばCrossですが、軸に対して1度だけ傾斜した運動は何でしょうか。それは厳密にはTiltかもしれませんが、見かけ上はCrossと見分けがつかないはずです。2度、3度…と傾斜させ、円軌道を描くような運動をしてはじめてTiltであると認識されます。このように、CrossとTiltを厳密に区切ることは難しく、グレーゾーンのある概念だといえます。
 すなわち、ラダーの揺れとフェイクトソニックの回転はほとんど同じ意味を持つもので、ある揺れと対応する方向のフェイクトソニックがあるはずです。
 もう一度ペンの上端に注目して、フェイクトソニックを考えてみましょう。

 ・フェイクトソニックが1回転する間に、ペンの上端は親指側へ向かったあとで小指側へと向かい、元の位置へと戻る。
 ・フェイクトソニックリバースが1回転する間に、ペンの上端は小指側へ向かったあとで親指側へと向かい、元の位置へと戻る。

 以上のことから、フェイクトソニックは正の揺れ、フェイクトソニックリバースは負の揺れに対応する運動といえるのではないでしょうか。
 揺れを分類することで、運動の正負を表現することができるようになりました。

◆まとめ

・ラダー系トリックに共通する要素は、Cross0回転揺れの3つだと考えます。

・運動の種類は、
 軸移動をするラダー系トリックについてペン自体の運動のしかたに着目すると、基準動作、移動方向、揺れの方向がそれぞれ2通りずつあるため、2×2×2=8通りあります。
 軸移動をしないものは2通りの揺れの方向を持ち、基準動作はFlipが考えられます。
 これらを合わせて、8+2=10通りの運動が考えられます。

◆課題

・Sunrise氏の表記法案自体が議論された案なのか不明で、それに乗じた本文はさらに怪しい文である、という問題がある。

・親指-小指間のラダーを説明するが、これと異なる平面上でのラダーは説明できない。親指-小指の関係で定義したため、それ以外の方向を基準とした揺れを説明できないからだ。なお、異なる平面上でのラダーがどういうものかは不明。

・揺れについての定義がかなり曖昧なので課題とする。揺れはさらに2つの運動に分解(親指側への揺れ+小指側への揺れ)でき、Shiftの際の軸移動と関連がありそう、と思う。

◆参考

・Sunrise, 表記法案 ver.1.00
http://www014.upp.so-net.ne.jp/sunrise518/define2/20100805.html

Sunrise Shift概説
新JEB 定義議論トピック(現在閲覧不可)
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿

非公開コメント